vege-reso staff blog

今年も、耕す 木更津農場のtoyomax先生が野菜の育て方やまめ知識をお届けします!

2011年08月31日(水)

微生物のこと

えっ!? 

今年のvege-resoは、8/31(やさいの日)で終了~?

なんだか、あっという間でしたね…。 toyomaxです。

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耕すのナス畑。毎日20キロほど収穫しています。

さて、vege-resoは終わっても、土作りは続きます。

話は前回の続きで、

(1)よい微生物(=善玉菌)をどこから連れてくるか?

(2)どうしたらよい微生物が活発に活動してくれるか?

という話です。

先に(2)の方の話からした方がわかりやすいと思いますが、
よい微生物が活発に活動しやすい条件は、

 【A】:餌があること
 【B】:適度な水分があること
 【C】:適度な空気があること

です。

で、厄介なのは【B】と【C】なのですが、
微生物の種類によって、「適度な」の程度がずいぶん違うこと。

そこで、(1)に話を戻して、
よい微生物とは、
いわゆる「善玉菌」と言われている微生物たちです。

土作りに貢献してくれる菌の代表格で言えば、

 「乳酸菌」

 「放線菌」

 「糸状菌」

 「納豆菌」

 「酵母菌」

といった菌たちです。

たとえば、「乳酸菌」は、言うまでもなく
ヨーグルトなどの乳製品によく含まれている他、
竹や米ぬかにもたくさんいます。

ちなみに耕す木更津農場では、
竹に住んでいる乳酸菌を使って、
鶏のエサを発酵させたり、堆肥を発酵させたりしています。

「納豆菌」は言うまでもなく、
納豆のネバネバを作ってくれる菌ですよね。

「酵母菌(イースト菌)」は、身近なところでは、
落ち葉や果物の皮などにくっついています。
パンを作る時のイースト菌もこれです。

「放線菌」「糸状菌」は、白いカビみたいな菌です。

なので、
これらの善玉菌を集めてきて、
たくさん培養してから、土の中に入れてあげれば、
土の中が善玉菌優勢の状態になって、
野菜の根が、元気に養分を吸いやすくなる、というわけです。

これらの菌を、性格の違いで分類すると、

【好気性菌】 空気が好き! →「納豆菌」「放線菌」「糸状菌」

【嫌気性菌】 空気が嫌い! →「乳酸菌」「酵母菌」

という感じになります。

そして、最も大事な条件、
これらの微生物たちの【A】「エサ」になるのが、

「有機物」、

つまり、
食物残渣などの繊維物や、糖分だったりします。

今回のvege-resoでチャレンジした「ぼかし堆肥」づくりは、
前半は好気性菌が頑張って、後半は嫌気性菌が仕上げる、
という連携プレーで作る堆肥づくりでした。

プランターや家庭菜園などの土作りでは、
「乳酸菌」や「酵母菌」が活躍する嫌気環境をつくることは難しいので、

やはり糸状菌などの好気性菌を増やすような土づくり
がやりやすいと思います。

そのためには、たとえば作物を作っていない期間は、
土の中に適度な水分がある状態をキープして、
(カラカラに乾いた状態にしない)
土が沈んで固まってきたりしたら、ほぐして空気を入れあげる。

そして、ときどき、お米のとぎ汁や、繊維物(食べ残しなど)等の
有機物を土の中に入れて、よくかき混ぜてあげる。

そんなことを繰り返しているうちに、
ふかふかのいい土がだんだん出来上がっていきます。

水が全くなくなってしまって、カラカラにしてしまうと、
せっかく増えた微生物たちもいなくなってしまいます。

逆に、水が多すぎていつもドロドロにしていたり、
空気の通りが悪い状態にしていると、悪玉菌の方が増えて、
土が腐ってしまいます。

野菜づくりが終わったあとは、
せっかく住みついてくれた
善玉菌たちがいなくなってしまわないように、
土をみていてあげてください。

次回は、秋冬の野菜づくりに向けた対策について。
嫌気性菌をうまく増やして活用する方法を中心に
説明したいと思います。

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